ろ過マイスター

液体のろ過、純水など、元フィルターメーカーの営業マンが情報を発信するブログ

浄水器用フィルターの活性炭と中空糸膜の機能を解説

家庭用の浄水器ウォーターサーバーに使用するフィルターですが、ほとんどにフィルターに活性炭と中空糸膜が取り付けられています。

特に活性炭は、絶対にありますよね。

ところでこの活性炭ですが、水道水に対してどんな影響を与えているのか分からず使用している方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、フィルターに取り付けられている活性炭と中空糸膜について、解説させていただきます。

■この記事を書いた人■
元フィルターメーカーの営業マン。15年間の勤務経験を活かし、ろ過や水処理について情報を発信中。現在は、フリーで工場のろ過、水処理のコンサルタントを行っている。一男一女の父。1976年生まれの46歳。

浄水器の活性炭の役割

活性炭の役割は大きく分けて2つ

  • 残留塩素の分解
  • 有機物の吸着(除去)

それ以外に農薬やトリハロメタンなども吸着しますが、水道水の場合、法律で規制値があるので、気にする必要はないです。

<残留塩素の分解>

水道水は雑菌の繁殖から水質を守る(殺菌)ため、蛇口部分で0.1㎎/L以上の塩素濃度を保持することが法律で決められています。

浄水場⇒家庭の蛇口までは地域により距離が異なるため、末端で0.1mg/L以上の塩素濃度ということです。

つまり、浄水場の近くの蛇口では、もっと塩素濃度が高くなります。塩素濃度の上限は1mg/Lとなっており、地域により塩素濃度が10倍も違うことになります。

(県により独自の上限基準を持っている場合もあります。)

当然ながら塩素濃度が高いと「水が消毒くさい」「カルキくさい」という状況になります。

活性炭は、これら残留塩素を分解する作用があり、活性炭に通水させた水道水は「消毒くささ」や「カルキくささ」がなくなります。

その代わり殺菌作用もなくなりますので、長期保存には向かない水になる側面もあります。

有機物の吸着(除去)>

物質には無機物と有機物があり、無機物は鉄やカルシウムなどです、一方、有機物はバクテリアやカビ、それらの老廃物などですね。

細かく説明すると難しくなるので、イメージとしては、無機物は増殖しない、有機物は増殖する、くらいで考えてもらえれば大丈夫です。

活性炭は有機物を吸着して除去する能力があります。水道水中の有機物の量は、TOCの数値を見ればわかります。

水道水は法律でTOC 3mg/L以下となっていますが、実際に色々な地域のTOCを調べてみると0.5~1.5の数値となっているところが多いですね。

一応、法律上は3mg/L以下となっていますが、個人的には1mg/Lを超えるとまぁまぁ濃度が高いと感じます。

活性炭ではTOCの元となる有機物を吸着して除去できます。ただ、残留塩素の分解と違い吸着して除去するため、許容量を超えると吸着できなくなります

浄水器メーカーがフィルターの交換目安を提示している場合も多いですが、原水の水質により交換時期は異なるため、目安程度に考えれば良いですね。

浄水器中空糸膜の役割

中空糸膜は、微細な糸状の構造を持ち、その内部が空洞である膜の一種です。この膜は多くの異なる産業やアプリケーションで使用されています。例えば、水処理、血液透析、食品および飲料の濾過、医薬品製造、バイオテクノロジーなどで使用されています。

中空糸膜の主な特徴は、非常に高い表面積を提供することです。これは、液体やガスを通すための効率的な方法を提供し、微生物、異物、不純物などを分離するのに役立ちます。

一般的な浄水器は、水道水中の微生物やゴミ、サビなどを取り除くために使用されるため、中空糸膜の孔のサイズは0.1ミクロンから数ミクロンまでで設計されるケースが多いです。

基本的に水道水は、きれいな水ですから、すぐに目詰まりしてしまうことはありません。

※番外編 逆浸透膜(RO膜)

あまり多くはありませんが、浄水器逆浸透膜(RO膜)を使用しているものがあります。

逆浸透膜(RO膜)は、水中の不純物や塩分を取り除くために設計されており、水分子を通過させながら、塩分や不純物の分子をブロック性質を持っています。これにより、RO膜は海水淡水化、飲料水の浄化、産業プロセスの水処理など、さまざまな用途で使用されています。

要するに水以外の分子がほとんど存在しない純水に近い水ということですね。

逆浸透膜浄水器は、家庭用、商業用、または産業用のさまざまな用途で利用されています。RO浄水器の動作原理は、RO膜を通過する水を圧力下で通過させ、微細な孔を持つRO膜によって不純物、塩分、微生物、有害物質などを取り除くことです。

RO浄水器の主な特徴と利点は次の通りです:

  • 高い浄水効率: RO膜は非常に微細な孔を持ち、多くの不純物を効果的に除去できます。
  • 優れた水品質: RO浄水器は飲料水の品質を向上させ、不純物や塩分をほとんど取り除きます。
  • 多用途: 家庭用RO浄水器から大規模な産業用プロセスまで、さまざまなスケールで使用できます。
  • 環境にやさしい: RO浄水器は化学薬品をほとんど使用せず、持続可能な浄水方法として注目されています。

RO浄水器は飲料水、料理用水、工業プロセス水など、清潔で安全な水を提供するために幅広く利用されています。

個人的には逆浸透膜を通水させた浄水を家庭用の水として使用することには、正直不安があります。

詳しくは改めて書かせていただきますが、色々なところに不具合が発生する可能性がありますね。