ろ過マイスター

液体のろ過、純水など、元フィルターメーカーの営業マンが情報を発信するブログ

【RO膜装置なら海水を飲料水にできる】地震災害に備えた飲料水対策

能登半島地震が発生して2週間ほど経過しましたが、被災状況がひどくニュースを見ると目を背けたくなります。

私の暮らす東海地方も震度4でかなり揺れました。被災地では、色々な問題が発生していますが、その中でも飲み水やトイレ、お風呂の水に困っているという情報をよく耳にします。

おそらく災害に備えて水を備蓄されていた方も多くいらっしゃるとは思いますが、復旧までに時間がかかると、その水もなくなってしまいますよね。

また井戸水を使用しているケースもあるようですが、地震により水質が変わり飲める水質なのかどうかも分かりません。

今回は災害時に川の水や井戸水をきれいにして、飲み水にする方法がないか考えてみることにします。

■この記事を書いた人■
元水処理・フィルターメーカーの営業マン。15年間の勤務経験を活かし、ろ過や水処理について情報を発信中。現在は、フリーで工場のろ過、水処理のコンサルタントを行っている。一男一女の父。46歳。

水道水はどうやって造る?

災害時には、水が不足しますが、簡易的にでも井戸水や川の水を水道水レベルまで処理できると飲み水を確保することができます。

まずは水道水がどのように造られるのか確認してみましょう。

  1. 水源(河川や井戸)から採水した水は、着水井という場所に集められ、水位や水質を調整します。
  2. 集めた水(原水)に凝集剤という薬品を入れることで、砂や土などの浮遊物が固まり(フロック)になって沈みます。これを沈殿池と呼びます。
  3. 沈殿池で取り除ききれなかった微細な不純物を除去するために、砂と砂利の層に通すことをろ過池と呼びます。
  4. ろ過した水に塩素を注入して消毒することで、安全な水道水ができあがります。これを塩素注入と呼びます。

※一部の地域では、より高度な浄水処理を行っています。例えば、オゾン処理という方法では、オゾンという物質を使って水のにおいや色を取り除き、殺菌します。粒活性炭処理という方法では、粒状の活性炭という物質を使って、通常の浄水処理では除去しきれなかった不純物を吸着・除去します。

水道水を造る設備は、かなり大がかりなので、簡易的に被災地で造ることはできません。

RO装置(逆浸透装置)処理なら被災地でもできる

ウォーターサーバーを取り扱っているアクアクララという製品をご存じでしょうか。

天然水ではなくRO膜(逆浸透膜)でろ過した安心安全な軟水 - RO水|アクアクララについて|ウォーターサーバー・宅配水ならお得なアクアクララ【公式】

アクアクララの水は天然水ではなく、RO膜装置できれいにした水にミネラルを添加した水です。

ここでRO膜処理について簡単に説明させていただくと

RO水は逆浸透(Reverse Osmosis)の技術を使用して水を浄化する方法で、不純物や微生物を取り除きます。水がROフィルターを通過すると、半透過膜が水分子だけを通して不純物や微生物をブロックします。これにより、高品質で浄化された水が得られます。

つまり、元々の水に溶け込んでいる不純物のほとんど除去するということです。

このRO膜の技術は、海水の淡水化や水の汚れた地域で飲料水を造るのに利用されています。

災害時の飲料水確保にRO膜は利用可能か?

これまでの災害でも分かっている通り、被災地では水が必ず不足します。RO膜の技術を利用して、被災地で水を造ることはできないのでしょうか。

調べてみました

大学産業 DASCO式 逆浸透膜浄水装置

海水からも飲料水を造ることのできる装置です。RO膜は高圧ポンプを使用するため、200V仕様が多いですが、大学産業の装置は、100V電源で使用できます。

補足ですが、大学産業という名前は会社名です。私も初めて大学産業という会社名を聞いた時、「エッ?大学産業?」という反応をしてしまいました。

話が逸れましたが、DASCO式の装置は、淡水⇒300L/1時間 海水⇒120L/1時間、飲料水を造ることができます。

お風呂の湯舟が、180~200Lですので、1時間でその1.5倍の飲料水を造れるというころです。

 

大学産業以外にも飲料水を造る装置を製造している会社もあるので、町内や地域で災害に備えるなら、こういった装置を検討してみても良いとは思います。

以上、最後までお読みいただき、ありがとうございました。