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【東京都の水はおいしくなった⁉】それでも浄水器は必要

「東京都の水道水はあまりおいしくないのでは・・」と考え、浄水器ウォーターサーバーを利用されたり、ミネラルウォーターを飲まれている方が多いですね。ただ、東京都の浄水処理場も臭いのないおいしい水道水を供給するため、高度な浄水技術を導入して水道水の品質向上に力を入れています。

日本の場合、法律で水質基準が厳しく決められているので、飲むうえで安全性の問題はないですが、要は飲んでみて水道水がおいしいかどうかですね。

個人的にはミネラルウォーターやウォーターサーバーが必ずしも良いとは考えていないので、「東京都の水道水+浄水器」が費用面を含めバランスが良いと考えています。

この記事では東京都の水道水について解説させていただきますので、ぜひ、最後まで読んでみてください。

■この記事を書いた人■
元水処理・フィルターメーカーの営業マン。15年間の勤務経験を活かし、ろ過や水処理について情報を発信中。現在は、フリーで工場のろ過、水処理のコンサルタントを行っている。一男一女の父。46歳。

 

東京都の水道水は飲めるのか?

東京都の水道水は、厚生労働省の水質基準を満たすだけでなく、より厳しい独自の基準を設けています。ですからおいしいかどうかは別として、飲むことに何ら問題はありません。以下は、東京都の水道水の主な水質指標です。

指標 東京都の水道水 全国平均
硬度 (mg/L) 65.8 50.0
残留塩素濃度 (mg/L) 0.4 0.5
電気電導率 (μS/cm) 150~250 100~200
pH値 7.0~7.8 6.8~7.5

硬度は全国平均より若干高いですが、硬水というほどではないです。(軟水)残留塩素は、殺菌のため添加されるため、日本全国どこの水道水での入っています。

気になるのは、「電気電導度」ですね。これは水の電気の流れやすさを計っているもので、数値が大きいほど電気が流れやすいということです。

電気は水に含まれるイオンによって運ばれますが、電気の流れやすい水は、イオンがたくさん含まれているということです。

このイオンというのは、例えばカルシウムやマグネシウム、鉄や硝酸や硫酸などが水に溶け込んだ状態のことを言います。別の言い方をするとミネラルや不純物という言い方になりますね。

東京都の水道水はこのイオンが多いので、ミネラル分の多い水と言えるかもしれません。普段、軟水のミネラルウォーターを飲まれている方にとって東京都の水道水は、少し硬度が高いので水道水を飲んだ時に苦く感じるかもしれません。


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水道水のおいしさを求め、高度浄水処理の導入

東京都では、水質を向上させるために高度浄水処理技術を導入しています。高度浄水処理技術ではイオン(ミネラル)の除去だけではなく、有機物を除去しています。有機物とはイオン(ミネラル)とは違い水を腐らせたり臭いのもとになったりする物質のことです。

水道水の臭いは、この有機物と殺菌のために添加される塩素による場合が多いです。

主な処理方法は以下の通りです。

  • オゾン処理: 水中の有機物を分解し、臭いや色を取り除く。
  • 生物活性炭吸着処理: 微細な不純物や臭気成分を吸着し、よりクリアな水質を実現。

この高度浄水処理によって、東京都の水道水はよりおいしく、安心して飲める水になっています。

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東京都の水道水はおいしいのか

東京都の水道水の味に関しては、改善が進んでいるものの、地域によってはカルキ臭を感じることがあります。しかし、高度浄水処理の導入により、全国的にも飲みやすい水と評価されています。

ただ水道水の原水である利根川や荒川、井戸水の水質があまり良くないので、高度処理をするにしても限界があるのではないかと感じています。

下の表は東京都の水道水の原水になっている利根川と荒川の水質データです。

指標 利根川(刀水橋) 利根川利根大堰 荒川(朝霞浄水場
pH 7.5 7.6 7.7
溶存酸素 (mg/L) 9.2 9.0 8.8
生物化学的酸素要求量 (BOD) (mg/L) 1.1 1.2 1.0
化学的酸素要求量 (COD) (mg/L) 3.5 3.6 3.2
濁度 (度) 2.0 2.1 1.8
アルカリ度 (mg/L) 25.7 29.3 35.0
有機炭素 (TOC) (mg/L) 2.5 2.7 2.3

この中で気になるのは「全有機炭素TOC」ですね。これは有機物の含有量を示している数字で2.3~2.5とう数字を示しています。数字だけ見ると少なそうに見えますが、この数値は割と高めです。「全有機炭素TOC」が高いと殺菌のために塩素を添加した時、嫌な臭いがしたりします。

ちなみにおいしい水道水で知られている名古屋市の水道水は木曽川の水を原水としていますが、その木曽川の全有機炭素TOC値は、0.3ほどです。

ポイント☝

東京都の水道水をおいしく飲むために必要なことは

  • 有機炭素(TOC)の除去
  • 残留塩素の除去

 

有機炭素(TOC)と残留塩素の除去には活性炭が有効

東京都の水道水をよりおいしく飲むためには浄水器の使用がおすすめですね。

浄水器の目的は

  • 有機炭素の除去
  • 残留塩素の除去

ですから、活性炭の入っている浄水器ですね、活性炭入りの浄水器あれば、上記2つは除去できますので、浄水器を選ぶ際は、活性炭入りのものを選んでください。

活性炭入り浄水器一覧表

ここでは、活性炭フィルターを採用している代表的な家庭用浄水器を一覧表で紹介します。価格情報とメーカー公式サイトのリンクも掲載しています。

商品名 メーカー タイプ 参考価格(税込) 公式サイト
クリンスイ MONOシリーズ MD301 三菱ケミカル 蛇口直結型 約4,800円 クリンスイ公式サイト
ブリタ リクエリ BRITA ポット型 約3,500円 BRITA公式サイト
トレビーノ カセッティ206SMX 東レ 蛇口直結型 約4,400円 トレビーノ公式サイト
パナソニック TK-CJ23 パナソニック 蛇口直結型 約7,000円 パナソニック公式サイト
クリタック クリピーレ CP405 クリタック 蛇口直結型 約2,500円 クリタック公式サイト
ゼンケン 浄水ポット MFH-10 ゼンケン ポット型 約5,500円 ゼンケン公式サイト
日本ガイシ C1(シーワン) 日本ガイシ 据置型 約43,000円 C1公式サイト

価格は高いものから安いものまで幅広いですが、基本的には活性炭が入っている製品であれば、体感できるくらい水道水の味が変わります。

 

クリタック製品であれば、数百円~で購入できます。

東京の水道水に関する口コミまとめ

良い口コミ

  • 「東京の水は思ったより美味しい」
    都内に転勤してきた人や地方からの観光客から「カルキ臭さが少なく、飲みやすい」といった声が目立ちます。特に23区内では高度浄水処理が進んでおり、水質に対する好印象が多いです。
  • 「わざわざミネラルウォーターを買わなくてもいい」
    浄水器を通した水で十分に美味しく、安心して使えるという評価もあり、節約志向の家庭からは支持されています。
  • 「ペットボトルよりエコ」
    水道水を日常的に活用している人からは、環境負荷の少なさやゴミ削減につながる点を評価する声があります。

悪い口コミ

  • 「やっぱり少しカルキ臭が気になる」
    特に夏場や使用頻度の少ない蛇口では、塩素臭が強まることがあり、「そのままでは飲みにくい」という意見も見られます。
  • 「場所によって味が違う気がする」
    同じ東京でも区や市町村によって水源が異なるため、「世田谷区の水は美味しいけど、江東区は少しクセがある」といった感想も散見されます。
  • 「配管の劣化が心配」
    古いマンションやアパートに住んでいる人の中には、「赤水が出たことがある」「サビ臭いことがある」との声もあり、建物の配管状況によって評価が分かれる傾向があります。

中立的・参考になる口コミ

  • 浄水器を使えば問題なし」
    多くの人が「浄水器を通すとカルキ臭がなくなって快適」と感じており、浄水器の導入によって水道水の評価は大きく改善するようです。
  • 「赤ちゃんのミルクには少し気を遣う」
    「念のために軟水のミネラルウォーターを使っている」という家庭もあり、用途に応じて使い分ける傾向が見られます。

東京都の水道水  まとめ

東京都の水道水は、安全性が高く、高度浄水処理によっておいしさも向上しています。他の地域と比較して硬度はやや高めですが、全体的に安心して飲める水です。より良い水を求める場合には、浄水器を利用するのも一つの選択肢となりますね。

ちなにみ浄水器は活性炭入りのものであれば、価格が安くても問題ありません。

以上、最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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