ろ過マイスター

液体のろ過、純水など、元フィルターメーカーの営業マンが情報を発信するブログ

【シリカを摂りたいなら水道水で十分】飲むシリカが必要ない理由

ミネラル分としてシリカを多く含んだ水を購入して、飲まれている方も多いかと思いますが、個人的には「それってすごく勿体ない」と感じてしまいます。

シリカというのはケイ素という物質で普通に水道水に含まれています。濃度は地域によって異なりますが、わざわざ購入してまで摂る必要はないかなぁと日々感じています。

このシリカという物質は、製造工場などでも話題になることがあり、水処理関係の仕事をしている私としては、かなり身近な存在ですね。

この記事ではシリカについて解説させていただきますので、これからシリカ水を購入しようとご検討の方は、ぜひ、最後まで読んでみてください。

■この記事を書いた人■
元水処理・フィルターメーカーの営業マン。15年間の勤務経験を活かし、ろ過や水処理について情報を発信中。現在は、フリーで工場のろ過、水処理のコンサルタントを行っている。一男一女の父。46歳。

販売されているシリカ水のシリカ濃度は?

シリカ水は色々なメーカーから販売されていますが、シリカ水の含有しているシリカの量は500mLのペットボトルで80~100mg前後が多いですね。

これを濃度で考えると160~200mg/Lということになります。つまり1Lあたり160~200mgのシリカが入っているということです。

単純に濃度だけ考えると水道水よりもシリカ濃度が高いです。

水道水のシリカ濃度は?

冒頭にも書かせていただいた通り、水道水にもシリカは含有しています。ただ、水道水の場合は、水道水のもとになる水の水質次第なので、地域によってシリカ含有量は変わりますね。

シリカはケイ素という成分で火山灰の多い地域ではシリカも多くなります。例えば静岡県や長野県、九州地方は火山があるのでシリカ濃度が高いです。一方、火山のない地域はシリカ濃度が低いです。ただ、低いといっても全くシリカがないわけではないですね。

地域別のシリカ濃度は

  • 九州⇒50mg/L
  • 愛知県⇒10mg/L
  • 長野県⇒40mg/L
  • 静岡県⇒30mg/L
  • 東京都⇒20mg/L

という感じです。シリカ水のシリカ濃度が160~200mg/Lなので、それと比較すると低いですが、その分、量を飲めば同じだけシリカを摂ることができます。

シリカ水500mL(ペットボトル1本)と同じだけシリカと摂ろうとした場合には、下記の量の水を飲む必要があります。

  • 九州⇒50mg/L⇒2L
  • 愛知県⇒10mg/L⇒10L
  • 長野県⇒40mg/L⇒2.5L
  • 静岡県⇒30mg/L⇒3.5L
  • 東京都⇒20mg/L⇒5L

九州や長野県であれば、飲めない量ではないですよね。

シリカ水と水道水の価格比較

水道水の場合、水質以外に価格も地域によって違います。理由は処理方法が違うからですね。例えば、水道水のもとになる水がきれいであれば処理工程が少なくなるし、汚れていれば複雑な処理が必要になります。

とは言ってもかなり水道水は安いですが

  • シリカ水500mL:100~150円
  • 水道水500mL:0.1~0.15円

約1,000倍の差があります。

水道水を飲んでシリカ水と同じ量のシリカを摂る場合、飲む水の量は増えてしまいますが、これだけ金額差があると水道水で良いのではと感じてしまいます。

以上、最後までお読みいただき、ありがとうございました。