精製水(せいせいすい)と純水(じゅんすい)は、どちらも「不純物を取り除いた水」として、研究・医療・工業・美容など幅広い分野で使われています。
しかし、その違いは意外と知られていませんが、精製水も純水もどちらも「きれいな水」というイメージを持たれている方が多いです。
この記事では、それぞれの水の特徴や用途の違い、製造方法、そして実際に使用して感じた体験談も交えてご紹介します。
精製水と純水の違いを簡単に言うと?
まずは、両者の違いを一言で説明すると以下のようになります。
項目 | 精製水 | 純水 |
---|---|---|
主な目的 | 不純物をある程度除去した清潔な水 | イオンや溶解物を徹底的に除去した水 |
純度 | 高い(一般用途向け) | さらに高い(理化学用途向け) |
使用分野 | 医療、美容、加湿器、洗浄など | 理化学分析、半導体洗浄、水質実験など |
製造方法 | 蒸留やROなど | RO、イオン交換、UVなど複合処理 |
電気伝導率 | 10~1μS/cm程度 | 0.1~1μS/cm未満(超純水は0.056μS/cm) |
どちらの水も水に含まれている不純物を取り除くという点では同じですが、電気伝導率の基準が違いますね。
一般的に純水は1μS/㎝以下が基準となっていますが、精製水の場合はその基準がないです。要するに「きれいな水」といった抽象的な考え方です。
精製水とは?
特徴
- 水道水や地下水などを原水とし、蒸留・逆浸透膜(RO)などで濾過された清潔な水。
- 有機物や塩素、細菌などが大幅に除去されている。
- 純度は高いが、純水や超純水ほどの厳密なイオン除去はされていない。(基準がない)
用途
- 加湿器やアイロンの水として
- コンタクトレンズの洗浄
- 医療用の器具洗浄
- 化粧品やスキンケアの成分水
体験談
「精製水は肌ケアに使っています」
「市販の化粧水の代わりに精製水を使ってスプレーすると、肌の調子が良くなったように感じます。ただ、長期間保存すると雑菌が気になるので、1週間以内に使い切るようにしています。」(大阪府・30代女性)
純水とは?
特徴
- RO(逆浸透膜)、イオン交換樹脂、紫外線殺菌など複数の工程で水中のイオン・微粒子・有機物などを徹底除去。
- 電気伝導率は非常に低く(0.1μS/cm以下)、実験や工業用として使えるほど高純度。
- さらに純度が高いものは「超純水(ultrapure water)」と呼ばれる。
用途
体験談
「純水で洗車したら本当に跡が残らない」
「普段は井戸水で洗っていたのですが、どうしても白い水垢が残ってしまうので、知人の勧めで純水洗車を試してみました。本当に拭き取りなしで跡が残らず感動しました!」(静岡県・40代男性)
精製水と純水の違いまとめ
ポイント別 比較まとめ表
項目 | 精製水 | 純水 |
---|---|---|
電気伝導率 | 約1~10μS/cm | 0.1μS/cm以下 |
処理工程 | ROまたは蒸留 | RO + イオン交換 + UV など |
保存性 | 比較的短期(開封後1週間以内) | 密閉状態で1ヶ月程度 |
価格(目安) | 100~200円/L | 300~600円/L(装置による) |
どちらを選べばいい?
使用目的によるおすすめ
- 日常用(加湿器・肌・洗浄):→ 精製水で十分
- 理科実験・電子部品の洗浄:→ 純水 or 超純水が必要
- コスト重視・使い捨てなら精製水、性能重視なら純水
まとめ
精製水と純水は似ているようで、純度・用途・価格に大きな違いがあります。日常的なケアや衛生管理には精製水が向いていますが、より高精度な作業には純水が必要です。目的に応じて使い分けることで、コストも効果も最大化できます。
購入だけでなく、自宅で純水を作る装置も市販されています。導入を検討する際は、必要な水質レベルとメンテナンスのしやすさを比較検討しましょう。