工場によっては水や薬品のろ過でフィルターカートリッジを相当使用しているケースも少なくありません。
使用するのは良いですが、使用済フィルターカートリッジのゴミも出ますよね。使用量の多い工場では相当なゴミの量になってしまいます、昨今の環境意識の高まりにより、使用済のフィルターカートリッジを再利用できないか考えられる担当者も増えていますが、実際、再利用は可能なのでしょうか。
フィルターカートリッジは
- 糸巻きタイプ
- 積層タイプ
- プリーツタイプ
などの種類があります。
性能を維持できるかどうかは別として、この中で再利用できる可能性があるのは「プリーツタイプ」ですね。
再利用の可能性が高い順に
プリーツタイプ > 積層タイプ > 糸巻きタイプ
です。もう少し具体的に考えてみます。
<糸巻きタイプの再利用>
糸巻きカートリッジはカートリッジの表面だけでなく内部でも多くのゴミを捕捉しています。ろ過面積が広いということですね。
仮に再利用をしようと考えた場合、逆洗してフィルターカートリッジに付着した汚れを除去しますが、糸巻きタイプの場合、汚れがフィルターの奥まで付着してしまっているため、逆洗で汚れを除去するのは不可能です。
その結果、表面上の汚れを除去できても内面が目詰まり状況のため、流量は戻らないですね。
つまり、糸巻きタイプの再利用は難しいということになります。
<積層タイプの再利用>
積層タイプは、糸巻きタイプよりも再利用できる可能性があります。
再利用できる条件は、表面にだけ汚れが付着している場合です。表面に汚れが付着しているだけであれば、逆洗で取り除くことができて再利用可能です。
ただろ過対象の液中に大きな汚れと小さな汚れが混在している場合は、積層タイプのフィルターの表面だけでなく中にも汚れが付着してしまうため、これだと逆洗不可で再利用もできないということになります。
<プリーツタイプの再利用>
フィルターカートリッジの中で唯一再利用できそうなのが、このプリーツタイプです。というのも、糸巻きタイプや積層タイプが層でろ過しているのに対して、プリーツタイプは面でろ過しています。
ろ紙の表面でろ過しているため、逆洗すれば汚れをある程度除去できる可能性があります。
ただ一つ問題点があって、それは「ろ過精度」ですね。
逆洗をすることを想定して製造されていないため、新品同様のろ過精度を確保できるかは未知数です。
それでも糸巻きタイプや積層タイプと比べればろ過精度は良いので、ろ過をする箇所によっては、プリーツタイプを選定して繰り返し使用することもありだとは感じます。
フィルターカートリッジの再利用 まとめ
フィルタリングの方法自体を変更するのも一つの選択肢ですね。例えばろ過対象が酸性の液以外であれば、金属製のフィルターカートリッジが使用できますし、日本ではあまり多くないですが、バッグフィルターも洗って再利用ができるのでおすすめです。
以上、最後までお読みいただき、ありがとうございました。