ろ過マイスター

液体のろ過、純水など、元フィルターメーカーの営業マンが情報を発信するブログ

【名古屋港の魚は食べることができる?】水質から考えてみた

名古屋港は伊勢湾に面した日本有数の港湾都市であり、釣り愛好家にとっても人気のスポットです。9号地では昼夜問わず釣り人がいますが、名古屋港には工場や下水処理場の水が流れてきているので、この釣った魚は食べることができるのだろうか?と疑問に思われる方もいらっしゃいます。

本記事では、名古屋港の水質データや実際の体験談をもとに、釣った魚が食べられるのかを詳しく解説します。

■この記事を書いた人■
元水処理・フィルターメーカーの営業マン。15年間の勤務経験を活かし、ろ過や水処理について情報を発信中。現在は、フリーで工場のろ過、水処理のコンサルタントを行っている。一男一女の父。46歳。

 

名古屋港の水質状況

最新の水質調査結果

名古屋港管理組合が公表している水質調査結果によると、令和5年度のM-1地点(ガーデンふ頭)では、以下のような数値が報告されています:

項目 環境基準 測定値
pH 7.0~8.3 8.2
溶存酸素(DO) 2mg/L以上 7.1mg/L
化学的酸素要求量(COD 8mg/L以下 6.1mg/L
n-ヘキサン抽出物質 検出されないこと ND(不検出)

これらの数値は、環境基準を概ね満たしており、水質は改善傾向にあるといえます。

この分析結果だけ見るとそれほど汚い水とは言えないですね。

底質の状況

一方で、名古屋市が実施した底質調査では、ガーデンふ頭付近の底泥から以下のような数値が報告されています:

  • 総水銀:0.39ppm
  • PCB:0.03ppm

これらの値は環境基準を下回っていますが、底質の汚染が完全に解消されたわけではないことを示しています。

工場排水や下水処理場から排出される水が汚いと思われているが・・

工場排水や下水処理場の排水は、「汚れている」「環境に悪い」といったイメージを持たれることがありますが、実際には厳しい水質基準のもとで高度に処理されており、安全性が確保されています。ここでは、その仕組みと理由をわかりやすく解説します。

工場排水が汚くない理由

排水基準に基づく管理

  • 工場は「水質汚濁防止法」や「下水道法」によって、BOD(生物化学的酸素要求量)、COD(化学的酸素要求量)、SS(浮遊物質)などの濃度に厳しい基準が設けられています。
  • 基準を超える排水を出すことは違法となり、罰則の対象になります。

中和・沈殿・濾過などの排水処理設備

  • 工場では排水に応じて、pH調整、中和、油水分離、沈殿、ろ過、凝集沈殿など多段階の処理が行われます。
  • 一部の工場では活性炭処理や膜ろ過(MF・UF)などの高度処理も導入されています。

モニタリングと自主管理体制

  • 工場は定期的に排水を採取・分析し、水質データを記録・報告します。
  • オンラインモニタリング装置によって、24時間リアルタイムで排水状況を監視する施設も増えています。

下水処理場の排水が汚くない理由

多段階の浄化プロセス

  • 下水処理場では、物理処理(ごみ・砂の除去)、生物処理(活性汚泥による有機物の分解)、化学処理(リン・窒素の除去)を段階的に行います。

高度処理による水質の改善

  • 近年は、オゾン処理、砂ろ過、膜処理(MBRなど)などの高度処理技術も導入されており、水道水に近い透明度を持つ排水も存在します。

法律で定められた放流水の基準

  • 放流前には、BODやSS、pH、残留塩素などが環境基準に適合しているか確認されます。
  • 河川や海に与える影響が極めて小さくなるよう管理されています。

実際の排水の状態

  • 処理後の水は透明で、臭いも抑えられており、見た目には清水に近い状態です。
  • 一部の自治体では、処理水をトイレの洗浄水や公園の灌水用に再利用しています。

昔は工場から排出される排水も汚かったですが、現在では水質汚濁防止法により厳しく水質を定められているため、海が汚染されることもないです。

名古屋港で釣れる魚とその食味

ハゼ

ハゼは名古屋港でよく釣れる魚の一つで、特に天ぷらにすると美味しくいただけます。実際に名古屋港の河口付近(天白川など)で釣ったハゼを天ぷらにして食べたところ、臭みもなく美味しかったとの報告があります。

クロダイ(チヌ)

クロダイは釣り人に人気の魚ですが、名古屋港で釣れたものはクセが強く、刺身で食べるのはおすすめできません。加熱調理(から揚げなど)であれば、臭みが軽減される場合があります。

クロダイは基本的に何でも食べるので、少し臭いがしますね。

シーバス(スズキ)

シーバスも名古屋港で釣れる魚ですが、刺身にすると水の臭みを感じることがあります。フライなどの加熱調理であれば、美味しくいただけることもあります。

夜釣りで1m近い大物も釣れることがあります。

Q&A:よくある質問

Q1. 名古屋港で釣った魚は食べても大丈夫ですか?

A1. 水質は改善傾向にあり、環境基準を概ね満たしていますが、底質の汚染が完全に解消されたわけではありません。釣った魚を食べる場合は、自己責任で判断し、特に刺身などの生食は避け、加熱調理をおすすめします。

Q2. どの魚種が比較的安全に食べられますか?

A2. ハゼは比較的安全に食べられる魚種とされています。特に天ぷらなどの加熱調理であれば、臭みもなく美味しくいただけるとの報告があります。

Q3. 名古屋港の水質は今後も改善される見込みですか?

A3. 名古屋港では継続的な水質改善の取り組みが行われており、今後も水質の改善が期待されます。ただし、底質の改善には時間がかかるため、引き続き注意が必要です。

まとめ

  • 名古屋港の水質は改善傾向にあり、環境基準を概ね満たしています。
  • 底質の汚染は完全に解消されていないため、釣った魚を食べる際は注意が必要です。
  • ハゼは比較的安全に食べられる魚種とされており、加熱調理をおすすめします。
  • クロダイやシーバスは刺身での生食は避け、加熱調理を推奨します。

名古屋港での釣りを楽しむ際は、水質や魚の安全性に注意し、適切な調理方法で美味しくいただきましょう。