ろ過マイスター

液体のろ過、純水など、元フィルターメーカーの営業マンが情報を発信するブログ

「プールへ行くならいつがベスト?水質的に最適なのは“プール開き直後”だった!」

いよいよ夏が近づき、各地で「プール開き」が始まる季節。暑い日に涼を求めてプールへ行くのは夏の定番ですが、実は水質面から見ても「プール開き直後」は非常におすすめのタイミングです。

この記事では、なぜプール開きの直後がベストなのか、その理由を水質の視点から詳しく解説していきます。

■この記事を書いた人■
元水処理・フィルターメーカーの営業マン。15年間の勤務経験を活かし、ろ過や水処理について情報を発信中。現在は、フリーで工場のろ過、水処理のコンサルタントを行っている。一男一女の父。46歳。

 

プール開き直後の水は、いちばん新鮮で清潔

プール開き前には大規模な清掃と水質調整が行われる

屋外プールや学校のプールでは、使用前に必ず「プール開き」に向けた準備が行われます。その内容は以下の通りです。

  • プール内の壁や床の徹底清掃
  • フィルターや循環装置の点検と整備
  • 水の全量または大部分の入れ替え
  • 水質検査(pH、塩素濃度、大腸菌など)

つまり、プール開き直後は1年のうちで最も衛生管理が徹底されている状態。このタイミングで泳ぐのは、水質的にも非常に安心といえます。

人が少ない初日〜数日は水の劣化が少ない

プールの水は常時ろ過されているとはいえ、利用者が増えるにつれて以下のような負荷がかかります。

  • 汗や日焼け止め、髪の毛などの不純物
  • 塩素と汚れが反応して発生するクロラミン(刺激臭の原因)
  • ろ過装置やフィルターの劣化

プール開き直後の数日はまだ利用者数も少なく、水の透明度や塩素バランスも良好なことが多いため、快適かつ衛生的に楽しむことができます。

水質的におすすめの来場タイミングは?

時期×水質の関係を表にまとめました

時期 水質状態 混雑度 おすすめ度
プール開き直後(6月末〜7月初旬) ◎ 非常に良好(新水+整備直後) ○ 比較的空いている ★★★★★
夏休み前半(7月中旬〜下旬) ○ 標準的(ろ過・塩素処理中) △ 混雑が増加 ★★★☆☆
夏休み後半〜8月下旬 △ ろ過能力にやや負荷あり × 非常に混雑 ★★☆☆☆

午前中は水も空気も安定していてベスト

時間帯で言えば、**午前中(特に10時〜11時頃)が最も快適**。夜間にろ過・消毒された水が、利用者の増える前にもっとも清潔な状態で保たれています。

プール開き直後が“水質的なゴールデンタイム”

  • プール開き前後は水の入れ替えと設備整備が完了している
  • 人が少なく、水の汚れや濁りもほぼゼロ
  • 衛生面が気になる人、肌が弱い人には特におすすめ

これからプールに出かけようと計画しているなら、「プール開き直後」のタイミングをぜひ狙ってみてください。キレイな水で、夏の始まりを気持ちよく楽しみましょう!

プールの水は見た目には透き通っていても、多くの人が利用するため常に清潔に保つ必要があります。そのために欠かせないのが「ろ過装置」。この記事では、プールのろ過の仕組みや使われている技術、ろ過材の種類などについて詳しく解説します。

プールの水は「循環ろ過」で清潔に保たれている

ろ過装置は24時間体制で稼働

一般的なプールでは、水をすべて毎日入れ替えることはせず、ろ過装置を使って水を循環させながら清潔を保っています。水は吸水口から取り込まれ、ろ過装置を通って汚れが除去されたあと、塩素消毒を経て再びプールに戻されます。

ろ過システムの基本的な流れ

  • ① プールの水が吸水口からポンプへ送られる
  • ② ろ過装置でゴミ・汚れ・不純物を除去
  • ③ 塩素などで消毒処理
  • ④ 清浄化された水がプールに戻される

主なろ過装置の種類と特徴

ろ過方式 特徴 採用例
砂ろ過方式 砂層で汚れをろ過。最も一般的。定期的に逆洗が必要 学校・市民プール
活性炭ろ過 においや有機物を吸着。補助的に使用される 温泉プール、ホテルなど
カートリッジろ過 フィルターで細かい粒子を除去。小型プール向き 家庭用・屋内施設

ろ過だけでは不十分?消毒との併用が基本

塩素処理で病原菌を除去

ろ過はゴミや濁りを取り除く工程であり、**細菌やウイルスの除去には塩素消毒**が必要です。日本の水泳プールでは、厚生労働省の定めるガイドラインにより、塩素濃度(遊離残留塩素)を0.4〜1.0mg/Lの範囲に保つことが義務付けられています。

ろ過+消毒=安全なプール水

「ろ過」と「消毒」はセットで初めて効果を発揮します。ろ過だけでは目に見えない雑菌までは除去できず、消毒だけではゴミや汚れは残ります。両者のバランスこそが、快適で安全なプール環境を支えているのです。

ろ過装置のメンテナンスと運用の工夫

逆洗(バックウォッシュ)でろ材を洗浄

砂ろ過装置では、ろ材が汚れで目詰まりするため、一定周期で「逆洗(バックウォッシュ)」を行います。これは水の流れを逆方向にして砂を洗い流す作業で、通常は1〜2週間に1度行われます。

定期的なろ材交換も重要

砂やフィルターなどのろ材は使用により劣化し、ろ過性能が低下します。2〜5年ごとの交換や補充が必要で、これを怠ると水質が急激に悪化する恐れがあります。

ろ過装置があるからプールは安全

  • ろ過装置は水を24時間循環させ、常に清潔を保っている
  • 砂・活性炭・カートリッジなど用途に応じて方式が使い分けられている
  • 塩素消毒と併用することで、衛生面と安全性が確保されている

次回プールに行ったときには、透明な水の裏側で働く「ろ過装置」の存在にも少しだけ思いを馳せてみてください。安全で快適な水泳環境は、こうした目に見えない努力によって支えられているのです。

地域別・大型プールのプール開き日程(2025年)

 

地域 施設名 都道府県 開園日 営業終了日
関東 東京サマーランド 東京都 2025年7月5日 2025年9月29日
関東 東武スーパープール 埼玉県 2025年6月28日 2025年9月15日
関東 蓮沼ウォーターガーデン 千葉県 2025年7月5日 2025年9月23日
関東 富津公園ジャンボプール 千葉県 2025年7月19日 2025年8月31日
関西 東条湖おもちゃ王国 アカプルコ 兵庫県 2025年7月5日 2025年8月31日
関西 姫路セントラルパーク アクエリア 兵庫県 2025年7月13日 未公表
関西 ネスタリゾート神戸 WATER FORT 兵庫県 詳細未定 未公表
東海 ナガシマジャンボ海水プール 三重県 2025年7月12日 2025年9月30日
関西 浜寺公園プール 大阪府 2025年7月12日 2025年8月31日
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