ろ過マイスター

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賃貸マンションは水道代が安いって本当?一戸建てとの料金差を徹底解説!

賃貸マンションと比べて一戸建てに住むと、水道料金が思った以上に高くなる。実際に引っ越してからそう感じた方も多いのではないでしょうか。

私も家を建てて暮らし始めた時「なんか水道料金が高いなぁ」と思いました。

これは気のせいではなく、実際に戸建て住宅のほうが水道料金が高くなる傾向があります。その背景には、使用水量の増加だけでなく、自治体ごとの料金体系や建物設備の違いも関係しています。

この記事では、なぜ戸建て住宅の水道料金が高くなるのか、その理由を具体的に解説していきます。

■この記事を書いた人■
元水処理・フィルターメーカーの営業マン。15年間の勤務経験を活かし、ろ過や水処理について情報を発信中。現在は、フリーで工場のろ過、水処理のコンサルタントを行っている。一男一女の父。46歳。

 

一戸建ての水道料金が高くなる主な理由

使用水量が多くなりがち

一戸建てでは、庭の水まき、家庭菜園、洗車、大きめの浴槽など、日常的に多くの水を使う傾向があります。これにより使用量が自然と多くなり、水道料金も高くなります。

基本料金が世帯ごとにかかる

一戸建ては各戸が個別に水道局と契約する「直接契約型」です。そのため、各戸で基本料金が発生します。

一方で、賃貸マンションでは「一括契約型」の場合、建物全体でまとめて契約され、割安な大口料金が適用されることがあります。

漏水や老朽配管による無駄な使用

古い一戸建てでは、配管の老朽化により目に見えない漏水が発生することがあります。これは使用量としてカウントされるため、料金に影響します。

節水意識の違い

賃貸では水道代が家賃に含まれているケースもあり、節水意識が高まる一方、一戸建てでは自由に使えるという心理から節水への関心が薄れがちです。

設備の水圧や容量の違い

一戸建てはタンク式トイレや広い浴槽など、水を多く使う設備が多く設置されがちです。また、水圧も高めに設定されていることが多く、水量の増加に繋がります。

比較表:賃貸マンションと一戸建ての水道料金の違い

項目 賃貸マンション 一戸建て
契約形態 一括契約または個別契約 個別契約
基本料金 一括契約なら割安 世帯ごとに発生
使用水量 少なめ 多くなりがち
共用部分の水 管理側負担 該当なし
漏水リスク 管理会社が対応 自分で対応

賃貸マンションの水道料金が一括契約で安くなる理由

大口契約が適用される

賃貸マンション全体で水道を一括契約する場合、使用量が多いため「大口料金」や「業務用料金」が適用されます。

基本料金が按分される

個別契約では各戸ごとに基本料金が発生しますが、一括契約では建物全体で1回分の基本料金のみが請求され、それを各住戸に割り当てるため、1戸あたりの負担が軽減されます。

比較例:戸建てとマンション(20戸)での水道料金

項目 戸建て(個別契約) 賃貸マンション(20戸・一括契約)
使用水量 20㎥/月 20㎥ × 20戸 = 400㎥/月
基本料金 2,000円 × 1戸 = 2,000円 20,000円 ÷ 20戸 = 1,000円
従量料金単価 200円/㎥ 160円/㎥(大口契約)
月額の合計 約6,000円/戸 約4,000〜4,500円/戸

水道料金に影響するその他の要因

段階料金制に注意

多くの自治体では「段階料金制」を導入しており、使用量が多くなると1㎥あたりの単価が上がります。たとえば10㎥までは150円/㎥でも、20㎥を超えると200円/㎥以上になるケースもあります。

自治体ごとの料金差

水道料金は自治体ごとに異なり、同じ使用量でも地域によって月額1,000円〜3,000円以上の差が出ることがあります。引っ越しを検討する際には、水道局のホームページで料金表を確認しておくと安心です。

一戸建てで水道代を節約する工夫

  • 節水トイレや節水シャワーヘッドの設置
  • 雨水タンクの活用(庭の水まきや洗車に利用)
  • お風呂の残り湯を洗濯に利用
  • 漏水点検(メーターで確認)を定期的に実施

二世帯住宅での水道料金の扱い

完全分離型の二世帯住宅では、親世帯・子世帯での水道使用量を明確にするために、子メーター(副メーター)を設置するのが一般的です。

  • 共通契約で水道を利用し、子メーターで家庭内按分
  • 別契約で独立した請求とする(ただし設備工事費が発生)

将来的なトラブルを避けるためにも、水道契約の方式は建築・購入時に確認しておくと安心です。

水道使用量の「見える化」ツールを活用しよう

最近では、水道使用量をスマホで可視化できるサービスや機器(例:Nodeus、WaterScopeなど)も登場しています。使用量がリアルタイムで確認できるため、家族全体で節水意識が高まります。

まとめ

賃貸マンションと一戸建てでは、水道料金の仕組みが根本的に異なり、料金にも差が出やすい構造になっています。

  • 一戸建ては使用量・設備・契約方式の影響で水道代が高くなりやすい
  • マンションは大口契約や基本料の按分で割安になる傾向
  • 節水意識や設備の見直し、地域差の理解が節約のカギ

住まいを選ぶ際には、家賃や建築費だけでなく、「毎月の水道代」などのランニングコストにも目を向けることが大切です。

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