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液体のろ過、純水など、元フィルターメーカーの営業マンが情報を発信するブログ

【2025年版】PFASが検出された水道水マップとおすすめの浄水対策

近年、「水道水から有害物質が検出された」というニュースを耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。その物質の一つが「PFAS(ピーファス)」と呼ばれる有機フッ素化合物です。PFASは自然界でほとんど分解されず、体内にも蓄積されやすい性質を持つことから、健康への影響が強く懸念されています。

2023年以降、日本各地の水道水や地下水からもPFASが検出され、自治体や住民の間で大きな関心を集めています。

この記事では、PFASが実際に検出された地域や数値の一覧、そして私たちが日常生活でできる対策について詳しく解説します。

特に、家庭での対策として注目されているのが、スーパーや薬局で提供されている「RO水」や「純水」などの水供給サービスです。PFASが心配な方や、小さな子どもがいるご家庭にとって、今知っておきたい情報をまとめました。

■この記事を書いた人■
元水処理・フィルターメーカーの営業マン。15年間の勤務経験を活かし、ろ過や水処理について情報を発信中。現在は、フリーで工場のろ過、水処理のコンサルタントを行っている。一男一女の父。46歳。

 

水道水からPFASが検出された地域は?

PFAS(Per- and Polyfluoroalkyl Substances)は、耐熱性・撥水性に優れた特性から工業用途や日用品に広く使用されてきました。

しかし、近年では有害物質として人体への影響が問題視されています。

PFASが検出された地域一覧(2024年時点)

地域(都道府県) 自治体・水道事業名 検出値(ng/L) 備考
愛知県 岩倉市水道事業 49 国の暫定目標値(50ng/L)に近い
長崎県 新上五島町水道事業 48  
北海道 むかわ町穂別簡易水道 47  
兵庫県 田井簡易水道組合 44  
京都府 精華町水道事業 39  
秋田県 由利本荘市水道事業 38  
埼玉県 富士見市水道事業 36  

過去に高濃度が検出された事例

過去には以下の地域で、暫定目標値(50ng/L)を大きく上回る値が検出されたことがあります。

現在は水源の切り替えや活性炭処理によって、これらの地域でも安全基準以下に抑えられています。

全国の検出状況と環境省の調査

環境省の2022年度の調査では、全国16都府県の河川・地下水など111地点でPFASが暫定目標値を超えて検出されました。

2024年度時点では、検査を実施した水道事業体の中で暫定目標値を超えた例は報告されていないものの、今後も継続的な監視が必要とされています。

家庭でできるPFAS対策

PFASへの対策として、以下の方法が推奨されています。

  • 活性炭フィルター付きの浄水器を使用する
  • ペットボトル水やRO水(逆浸透膜ろ過水)を活用する
  • 自治体が公表している水質検査結果を定期的に確認する
  • スーパーや薬局の水サービスを活用する

PFAS(ピーファス)を除去できると言われる家庭用浄水器一覧

メーカー 製品名 ろ過方式 PFAS除去能力 公式リンク
トクラス(旧ヤマハ トクラス浄水器カートリッジ(JCL-63) 活性炭+中空糸膜 PFOS・PFOAに対応と明記 公式サイト
日本ガイシ C1スリム浄水器 セラミックフィルター+活性炭 PFOS・PFOA除去に一定の効果あり 公式サイト
ブリタ マクストラプラスピュアパフォーマンス 活性炭+イオン交換樹脂 PFASに対応した検証結果は一部あり 公式サイト
タカギ みず工房 浄水器内蔵型蛇口 中空糸膜+活性炭 PFAS除去記載なし(活性炭効果に期待) 公式サイト
ゼンケン アクアセンチュリースマート 中空糸膜+活性炭 PFAS除去を明記(第三者機関試験済) 公式サイト
クリンスイ三菱ケミカル モノシリーズMD301 中空糸膜+活性炭 PFAS除去を一部表記(除去対象にPFOS含む) 公式サイト

スーパーや薬局で提供される水は安全?

多くのスーパーやドラッグストアでは、無料または低価格で「ピュアウォーター」「純水」「RO水」などの水を供給するサービスを実施しています。専用のボトルを購入することで、店頭の給水機から自由に水を補充できる仕組みです。

これらの水の主な特徴は以下の通りです:

水の種類 処理方法 PFAS除去の可能性 提供場所
RO水(逆浸透膜水) 逆浸透膜(RO)でろ過 非常に高い(分子レベルで除去) イオン、ウエルシア、スギ薬局など
純水・ピュアウォーター RO+活性炭+UV除菌など 高い イオン、マックスバリュ、ツルハなど
アルカリイオン水 電気分解処理 除去性能は不明〜限定的 一部のドラッグストア、業務スーパーなど

特に「RO水」や「純水」と表記されているものは、PFASを分子レベルで除去できる可能性があり、安全性が高いとされています。

家庭での飲用水として、これらの水を活用するのも効果的な対策の一つです。

ちなみに我が家はスギ薬局で水をもらってきます。

PFASは「見えないリスク」だからこそ情報収集を

PFASは無色透明で味や臭いがなく、気づきにくいリスクです。しかし、健康への影響が指摘される今、個人としてできる対策を講じることが大切です。

特に、検出例のある地域に住んでいる方は、定期的に水道水の情報を確認し、必要に応じて浄水器やミネラルウォーターの利用を検討しましょう。

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