ショッピングモールや大型商業施設のフードコートでは、セルフサービスの冷たい水が設置されているのが一般的です。
買い物の合間に一息ついたり、食事と一緒に手軽に水を飲めるのはとても便利ですが、「この水は本当にきれいなのか?」「ろ過や衛生管理はどうなっているのか?」と疑問に思ったことはないでしょうか。
本記事では、フードコートの給水機械の構造やろ過機能の有無、衛生対策について詳しく解説します。
- フードコートで使われている給水機械の種類
- 水は冷やされているだけではない?ろ過機能の搭載
- 衛生面での配慮も万全
- 実際にどの機種が使われているのか?
- 結論:フードコートの水は基本的に安全
- ろ過機能がない給水機器も存在する?
フードコートで使われている給水機械の種類
ウォータークーラーと冷水ディスペンサー
フードコートでは主に「ウォータークーラー」や「冷水ディスペンサー」と呼ばれる業務用の冷水供給機器が使用されています。
これらの機器は大量の冷水を安定して供給できるよう設計されており、ほとんどが水道直結型です。
製氷機一体型タイプも
一部の施設では、製氷機と一体になったディスペンサーが使われている場合もあります。氷と水の両方が出せるため、飲料の用途が広がります。
ただ、最近はあまり見かけないですね。
水は冷やされているだけではない?ろ過機能の搭載
ほとんどの機器にはろ過機能がある
飲用を前提とした水を供給するため、給水機器の多くには「ろ過フィルター」が内蔵されています。以下は一般的に搭載されているろ過方式です。
- 活性炭フィルター: 塩素や臭い、有機物を除去
- 中空糸膜フィルター: 細菌や濁りを物理的に除去
- セディメントフィルター: 砂、サビ、浮遊物を除去
- イオン交換樹脂: 硬度成分(カルシウム、マグネシウム)を除去
フィルターの定期交換が必須
どのろ過方式でも、フィルターには寿命があります。3〜6か月ごとに定期交換が必要で、管理業者によってメンテナンスされています。交換を怠ると逆に雑菌の温床になる恐れがあるため、厳密な管理が求められます。
きちんと管理されていると思いたいですが、フードコートによっては管理が甘いケースも考えられますね。その場合、水道水よりも汚れた水が供給されている可能性もあります。
衛生面での配慮も万全
非接触式・自動洗浄機能など
感染症対策や衛生管理の観点から、最近ではセンサーによる非接触操作や、自動洗浄機能を搭載したモデルが増えています。抗菌ノズルやUV殺菌機能を備えた製品もあります。
実際にどの機種が使われているのか?
イオンモールなど大手施設の場合
具体的な機種名は公表されていませんが、以下のような大手メーカーの業務用ディスペンサーが採用されている可能性が高いです。
- ホシザキ(DCMシリーズなど)
- パナソニック(業務用冷水ディスペンサー)
- クリタック(KSシリーズ)
- ゼンスイ、ニチネンなども一部採用事例あり
メーカーごとのろ過機能比較(例)
ホシザキでは活性炭+中空糸膜フィルターを採用し、細菌や濁りにも対応。パナソニックやゼンスイは塩素や硬度成分の除去に優れた構成を持っています。いずれも業務用途に特化し、高性能なろ過を行っています。
フードコートなどで使われる給水機械の主なメーカーと特徴
メーカー名 | 主な製品シリーズ | 特徴 | 採用実績 |
---|---|---|---|
ホシザキ | DCMシリーズ(DCM-115など) | 製氷+冷水一体型。高い信頼性と耐久性。自動洗浄機能付きモデルあり。 | 大手フードコート、ファミリーレストラン、病院など |
パナソニック | 業務用冷水ディスペンサー | 省スペース設計で中〜小規模施設向き。衛生面にも配慮。 | 社員食堂、給食施設、カフェなど |
クリタック | KSシリーズ | 簡易設置タイプ。ろ過機能付きモデルもあり。 | 中小飲食店、サービスエリア、公共施設 |
ゼンスイ | ― | 水処理技術に強み。特殊用途や小規模店舗向け。 | 一部飲食店・自治体施設 |
ニチネン | ― | 簡易給水機・小型ディスペンサーを提供。 | 介護施設、屋外イベントなど |
結論:フードコートの水は基本的に安全
ろ過+冷却+衛生管理が整っている
フードコートの水は、単に冷やされているだけでなく、ろ過や衛生機能を備えた専用機器から提供されています。もちろん、施設側の管理体制にもよりますが、基本的には安心して飲める水であるといえるでしょう。
気になる場合は施設名でメーカーを調べてみよう
より詳しい情報が知りたい場合は、施設の運営元に確認するか、設置されている機器のメーカー名や型番をチェックして調べてみるのもおすすめです。
ろ過機能がない給水機器も存在する?
ろ過を搭載しない機器の特徴
実は、すべての冷水ディスペンサーにろ過機能が搭載されているわけではありません。一部の機器は以下のような理由で、ろ過機能を省略しているケースがあります。
- 店舗全体でろ過・浄水処理がされている: セントラル浄水方式を導入している施設では、個別機器でのろ過が不要になることがあります。
- 仮設や臨時の設置: 夏季限定の屋外フードイベントなどで使われる機器では、簡易な構造でろ過を省略することも。
- 冷却専用機: 水道水の水質が良好と判断されている地域では、冷却のみのウォータークーラーが設置されている場合があります。
ろ過なし機器のリスクと対策
ろ過機能がない機器でも、水道法に基づき水質基準は満たされていることが前提です。しかし、以下の点には注意が必要です。
- 水道水の塩素臭や金属臭が残ることがある
- 建物の配管が古いと、微量のサビや濁りが出る可能性
- 安全性に問題があるわけではないが、味や風味に影響する場合がある
ろ過がない機器が気になる場合は、自分でペットボトル水を持参する、コップの匂いを確認してから使う、などの工夫で安心して利用できます。
以上、最後までお読みいただきありがとうございました。
基本的に水道直結型の機種が多いので安全性は問題ありませんが、清潔面が気になるのであればミネラルウォーターを購入して飲むしかないですね。