ろ過マイスター

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【長島ジャンボ海水プールの水は海水じゃない⁉】普通のプールと同じ水だった

ジャンボ海水プール」という名前から、「本物の海水が使われているの?」と疑問に思ったことはありませんか?
毎年多くの人でにぎわう三重県・長島ジャンボ海水プールですが、実はその水質は“海水”ではありません。
本記事では、名前と実際の水質の違いや、なぜ海水ではないのか、どんな衛生管理がされているのかについて詳しく解説します。

■この記事を書いた人■
元水処理・フィルターメーカーの営業マン。15年間の勤務経験を活かし、ろ過や水処理について情報を発信中。現在は、フリーで工場のろ過、水処理のコンサルタントを行っている。一男一女の父。46歳。

長島ジャンボ海水プールは「海水」じゃない!?

三重県桑名市にある人気のレジャー施設「長島ジャンボ海水プール」は、毎年多くの家族連れで賑わう巨大プール施設です。

しかし、「海水プール」という名前から、「本物の海水が使われているのでは?」と勘違いされる方も少なくありません。

私も子供の頃からずっと海水を使っているのだろうと思ってました・・

実際には「海水」は使われていない

結論から言うと、長島ジャンボ海水プールで使用されている水は「海水ではなく淡水」です。
「海水プール」という名称は、海を感じさせる演出や波のあるプールなどからイメージされたもので、実際の海水を使用しているわけではありません。

なぜ「海水プール」と名付けられているのか?

  • 波の出るプールや白砂風の演出がある
  • 海にいるような開放感を楽しめる
  • 施設名としてのインパクト・わかりやすさ

つまり、「海のように楽しめる」ことを表現した名称であり、水の性質とは直接関係がありません。

衛生面からも淡水が最適

多くの人が利用するレジャープールにおいては、衛生管理が非常に重要です。
海水を使うと以下のようなリスクがあるため、淡水+塩素消毒という方法が採用されています。

  • 腐食のリスク(塩分が施設機器にダメージを与える)
  • 水質の安定管理が難しい(海水は細菌や不純物が多い)
  • 塩分による皮膚や目への刺激

人工海水ではない点にも注意

「もしかして人工海水を使ってるのでは?」と思う方もいますが、長島ジャンボ海水プールでは人工海水も使っていません。
完全に淡水を使用し、ろ過・塩素消毒によって清潔な水質を保っています。

長島ジャンボ海水プールの水は水道水?井戸水?

長島ジャンボ海水プールの水質について、「水道水なのか?それとも井戸水なのか?」と疑問に思う方も多いかもしれません。実際には、水道水と地下水(井戸水)の併用と考えられています。

水源の種類

水源 内容
水道水 桑名市上水道を使用。あらかじめ消毒された安全な水。
地下水(井戸水) 施設内で汲み上げた地下水をろ過・消毒して利用。

なぜ水道水と井戸水を使い分けるのか?

  • 衛生管理がしやすい:水道水は塩素処理済み、地下水も処理して使用
  • 大量の水量確保:施設全体で約75,000トン以上の水を必要とするため
  • コスト対策:井戸水を使うことで水道料金を削減できる

長島ジャンボ海水プールの水質管理体制は?

日本最大級の屋外プール施設である長島ジャンボ海水プールでは、多くの来場者が安心して楽しめるように、徹底した水質管理が行われています。ここでは、その管理体制について詳しく紹介します。

24時間体制の水質モニタリング

各プールにはセンサーが設置されており、水温・pH・塩素濃度・濁度などを常時監視しています。異常値が出た場合はアラートでスタッフに即時通知され、迅速な対応が可能です。

ろ過循環システムによる常時浄化

長島ジャンボ海水プールでは、大型のろ過装置を使用し、常に水を循環・ろ過処理しています。髪の毛やゴミ、皮脂などの不純物を物理的に除去し、衛生的な状態を維持しています。

塩素消毒と衛生基準の遵守

水道法や公衆浴場法に基づき、残留塩素濃度(0.4〜1.0mg/L)pH(5.8〜8.6)などの水質基準を遵守。自動制御だけでなく、スタッフによる手動検査も1日数回実施されています。

繁忙期には管理体制をさらに強化

夏休みや連休など、来場者数が多い時期には水質チェックの回数を増やし、巡回スタッフも増員。もし問題が発生した場合は、該当エリアを即座に封鎖して処理を行います。

定期的な排水・清掃作業

営業終了後や非営業日には、プールの水を部分的に排水し、床面や壁面の洗浄を実施。衛生状態を高いレベルで維持するための定期的な清掃が徹底されています。

安心して遊べる水質管理の仕組み

管理項目 内容
水質センサー 24時間自動監視、異常即対応
ろ過循環 常時運転で水を清潔に保つ
塩素管理 自動と手動で最適濃度を調整
人的チェック 1日数回の目視と採水による検査
清掃体制 夜間や定期的な排水・高圧洗浄

長島ジャンボ海水プールで水質トラブルはあった?

長島ジャンボ海水プールは全国でも最大級の屋外レジャープールとして知られていますが、「過去に水質トラブルがあったのか?」という点は多くの人が気になるところです。

重大な水質事故の報道はなし

2025年5月時点で調査した限りでは、保健所からの指導やメディア報道などによる重大な水質事故の記録は確認されていません
長年にわたり、安定した水質管理体制のもとで安全に運営されています。

発生しうる軽微なトラブル(一般的な例)

内容 対応
幼児のトイレトラブル、嘔吐など 該当エリアの一時封鎖、消毒・排水対応
混雑時の塩素臭の強さ 基準内での塩素使用、空気循環で対応
落ち葉や虫などの混入 スタッフが定期巡回・清掃で対応

トラブルが起きにくい理由

  • 24時間体制のセンサー監視
  • ろ過循環と塩素消毒の自動管理
  • 清掃スタッフによる定期点検
  • 保健所の水質検査の実施

利用者側の注意点

水質トラブルを防ぐためには、利用者のマナーも大切です。

  • 入水前にシャワーと足洗いをする
  • 水遊び用オムツを着用する(幼児)
  • 体調不良時はプールを控える

まとめ:名前に惑わされず安心して楽しもう

ジャンボ海水プール」という名前から海水をイメージしてしまいがちですが、実際には淡水のレジャープールです。
ただし、海を感じさせるようなスケールの大きさや演出が魅力であり、子どもから大人まで楽しめる充実した設備が整っています。

安全・清潔に管理された水の中で、思いっきり夏を楽しんでみてはいかがでしょうか?

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