ろ過マイスター

液体のろ過、純水など、元フィルターメーカーの営業マンが情報を発信するブログ

梅雨の雨をムダにしない!家庭でできる雨水再利用術

最近、注目されているのが「雨水の再利用」。電気やガスなど光熱費の値上げが止まらない中、何とか家庭の出費を抑えたいということですね。

自然に降り注ぐ雨水を上手に活用することで、水道代の節約はもちろん、災害時の備えや環境保護にもつながります。

本記事では、家庭で簡単にできる雨水の再利用方法について、具体的な活用シーンや必要な設備、注意点まで詳しくご紹介します。

■この記事を書いた人■
元水処理・フィルターメーカーの営業マン。15年間の勤務経験を活かし、ろ過や水処理について情報を発信中。現在は、フリーで工場のろ過、水処理のコンサルタントを行っている。一男一女の父。46歳。

雨水再利用のメリット

  • 水道代の節約につながる
  • 断水時の非常用水源になる
  • 庭の植物に優しい軟水として利用可能
  • 地域の水資源保全に貢献(ちょっと話が大きいが・・)

家庭で雨水再利用の可能な方法5選

庭や植木の水やり

雨水の再利用で最も一般的なのが庭や植木への水やりです。雨水は軟水であり、植物への負担も少なく、天然の恵みとして最適です。雨水タンクやバケツに貯めた水をじょうろやホースで使用します。

ただ、夏場は蚊の発生源になる可能性があるので、注意が必要です。

洗車

洗車に大量の水を使うご家庭では、雨水を利用することで大幅な節水が可能です。バケツに貯めた雨水をスポンジや布で使えば、節水とコスト削減に繋がります。

雨水をきちんとろ過をして洗車をすれば、水道水よりきれいになるかもしれません。

トイレの流し水

一部の家庭では、トイレの洗浄水に雨水を活用しています。雨水をポンプでトイレタンクに供給する簡易システムを導入すれば、水道水の使用量を大きく削減できます。

 打ち水

夏場の熱対策に効果的な打ち水も、雨水で行うことでエコな取り組みとなります。コンクリートや玄関先に撒くことで気温を下げ、節水にもなります。

災害時の生活用水

非常時の備えとして雨水タンクに水を確保しておくことで、飲用以外の生活用水(トイレ、手洗い、掃除)として活用できます。普段からタンクのメンテナンスを行い、清潔を保つことが重要です。

雨水再利用に必要な設備

雨水タンク

雨どいから雨水を集めるための専用タンク。容量は100L〜300Lが一般的で、価格は1万円〜5万円程度です。設置は自治体の補助対象になることもあります。

家庭用雨水タンクの種類と特徴

製品名 容量 サイズ 素材 価格帯 特徴 リンク
タキロン 雨水タンク 100L 100L 約幅48×奥行39×高さ94cm ポリエチレン 約15,000円 シンプルな設計で設置しやすい。小規模家庭向け。 公式サイト
積水化学 雨音くん 200L 約幅72×奥行52×高さ103cm ポリエチレン 約30,000円 フィルター付きで庭の水やりに便利。見た目もスマート。 公式サイト
コダマ樹脂製 角型タンク 300L 300L 約幅95×奥行62×高さ106cm ポリエチレン 約40,000円 大容量で洗車や非常用にも最適。安定性が高い。 公式サイト
グリーンタンクSlim 100L 100L 約幅30×奥行40×高さ95cm 再生樹脂 約12,000円 スリム設計で狭い場所にも設置可能。エコ素材。 楽天市場
オルカ 雨水貯留タンク 250L 250L 約幅85×奥行50×高さ105cm ポリエチレン 約35,000円 蛇口付きで使い勝手◎。雨どい連結部品付き。 公式サイト

フィルター装置

雨水にはゴミや汚れが含まれていることがあるため、簡易なフィルターを通すことでより安全に使用できます。園芸や洗車での利用であれば簡易フィルターで十分です。

家庭用雨水ろ過装置の比較一覧

製品名 フィルター方式 除去対象 設置場所 価格帯 特徴 リンク
タカギ 雨水フィルター メッシュフィルター 落ち葉・ゴミ・砂 雨どい連結部 約5,000円 雨どいから雨水タンクに入る前に粗ごみを除去。 公式サイト
ミズタンク専用簡易ろ過キット 活性炭+ウレタン 異臭・濁り・微粒子 タンク内設置 約8,000円 活性炭でにおいを軽減。園芸・洗車向け。 Amazonページ
セキスイ 雨水ろ過ユニット 二重メッシュ+沈殿槽 葉・泥・虫 地面設置(タンク手前) 約12,000円 メンテナンスが簡単で詰まりにくい構造。 公式サイト
エコレイン スーパーフィルター 多層フィルター(繊維+活性炭) 微細汚れ・鉄さび 雨どい途中 約15,000円 家庭菜園など水質を気にする用途に最適。 楽天市場
DIY用ろ過バケツキット 砂利+活性炭+布 微粒子・にごり 屋外・自由設置 約3,000円 手軽に作れる簡易装置。災害時にも応用可能。 モノタロウ

雨水再利用の注意点

  • 飲用や料理などには使用できません
  • タンクは定期的に清掃が必要です
  • 虫や藻の発生を防ぐため、日光の当たらない場所に設置
  • 冬季の凍結対策も忘れずに

自治体の補助制度を活用しよう

多くの自治体では雨水タンク設置に対する補助金制度を設けています。補助額は数千円〜1万円程度が多く、設置費用の一部を軽減できます。各自治体のホームページで確認しましょう。

家庭用雨水タンク 補助金制度一覧(例)

自治体名 補助対象者 補助金 補助条件 申請方法 リンク
東京都杉並区 区内に住む個人・事業者 上限10,000円(費用の1/2) 容量50L以上の雨水タンク 事前申請、設置後に報告書提出 公式サイト
神奈川県横浜市 市内の戸建て住宅所有者 上限20,000円 市が指定する製品を使用 書面・窓口申請 公式サイト
大阪府豊中市 市内居住の個人 上限15,000円 100L以上の雨水タンク オンライン可 公式サイト
愛知県名古屋市 市民(個人・法人) 上限10,000円 製品の領収書添付 郵送・窓口申請 公式サイト
福岡県久留米市 市内に住民票がある個人 購入費の1/2(上限12,000円) 一定条件を満たす市販品 設置前申請必須 公式サイト

まとめ

家庭での雨水再利用は、環境への配慮と節水を両立できる非常に有効な手段です。まずは小さな雨水タンクを設置し、日常生活の中で無理なく始めてみましょう。持続可能な暮らしを目指す第一歩として、ぜひ取り入れてみてください。