蛇口から赤茶色の水が出て驚いた経験はありませんか?
これは、老朽化した鉄製の配管からサビが混入した「赤水」と呼ばれる現象で、築年数の古い建物では今なお頻繁に見られます。
特に学校や団地、古いマンションでは、こうした現象が長年放置されているケースも多く、飲用や調理に使うには不安が残ります。
本記事では、サビ水が出る建物の特徴を整理したうえで、なぜろ過が必要なのか、どのようなろ過装置が効果的なのかをわかりやすく解説します。
■この記事を書いた人■
元水処理・フィルターメーカーの営業マン。15年間の勤務経験を活かし、ろ過や水処理について情報を発信中。現在は、フリーで工場のろ過、水処理のコンサルタントを行っている。一男一女の父。46歳。
サビ水が出る建物の特徴
築年数と使用されている配管材の関係
築年数 | 使用されている配管材 | 劣化リスク | 赤水の可能性 |
---|---|---|---|
〜1980年 | 黒ガス管・亜鉛メッキ鋼管(SGP) | 非常に高い(腐食・閉塞) | 高い |
1980〜2000年 | SGP・塩ビライニング鋼管 | 中〜高(施工品質に依存) | 中程度 |
2000年以降 | 塩ビ管・ステンレス・架橋ポリエチレン管 | 低い | ほぼなし |
赤水が出やすい建物の具体例
- 築30年以上のアパート・団地・マンション
- 学校・病院・公共施設(更新が遅れがち)
- 水の使用頻度が少ない施設(工場、空き校舎など)
なぜろ過が必要なのか?
サビ水の健康・生活への影響
影響項目 | 内容 |
---|---|
健康面 | 微量の鉄分は無害だが、雑菌や濁度、異臭の原因になることも |
生活面 | 風呂・洗濯での黄ばみ、調理や飲用での異味・変色、機器の目詰まり |
ろ過装置の必要性と種類
- 中空糸膜フィルター:サビや微粒子を物理的に除去。家庭用でも導入しやすい。
- 活性炭フィルター:サビに加え、塩素臭や有機物も吸着除去。
- 多層フィルター(砂ろ過+活性炭):学校や施設向けの大容量処理に適する。
ろ過で改善した事例と対策のポイント
導入前後の比較
項目 | ろ過導入前 | ろ過導入後 |
---|---|---|
水の色・臭い | 赤茶色、鉄臭さあり | 無色透明、臭いなし |
飲料水の味 | 金属っぽい後味 | すっきり・飲みやすい |
住民の不満 | クレーム多数 | 改善され満足度向上 |
対策のポイント
- 築年数が30年以上の場合は配管材を調査
- 赤水が発生したらフラッシング(排出)+フィルター設置
- できれば配管更新も含めた中長期的な対策を検討
まとめ
サビ水が発生する建物では、鉄配管の劣化が主な原因となっており、放置することで健康や生活に支障をきたす恐れがあります。配管の更新が難しい場合でも、家庭用・業務用のろ過装置を導入することで水質は大きく改善されます。特に飲用や調理に使用する水に関しては、ろ過は“選択肢”ではなく“必須対策”として考えるべきです。
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