都心からのアクセスが良く、四季を通じて多くの釣り人でにぎわう東京湾。ハゼやアジ、シーバス、クロダイなど、さまざまな魚種が釣れる人気のフィールドですが、「東京湾の魚って本当に食べても大丈夫?」「水質は汚れていないの?」といった不安の声も少なくありません。
この記事では、東京湾の主要釣り場ごとの特徴や釣れる魚、水質データ、そして釣った魚の安全性について、信頼できるデータと共に詳しく解説します。安心して釣りと食を楽しむために、ぜひチェックしておきたい情報をまとめました。
東京湾の主要な釣り場と魚種
釣り場 | 主な釣魚 | 備考 |
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若洲海浜公園(江東区) | ハゼ、カサゴ、メバル、クロダイ | 湾奥部で初心者にも人気。夏場は水温上昇に注意。 |
葛西臨海公園(江戸川区) | シーバス、サッパ、ボラ | 水質は比較的良好でファミリーに人気。 |
城南島海浜公園(大田区) | アジ、イシモチ、シロギス | 羽田空港に近く、潮流が早い日も。 |
本牧海づり施設(横浜市) | アジ、サバ、イナダ、タチウオ | 水深があり、多彩な魚種が狙える人気スポット。 |
市原海釣り公園(千葉県) | シロギス、カレイ、アイナメ | 潮通しがよく、魚の活性が高い。 |
東京湾の水質状況
東京湾の水質は釣り場によって差がありますが、全体として近年は徐々に改善傾向にあります。
湾奥部では依然として栄養塩が高く、夏場には貧酸素水塊が発生することもあります。一方、湾口や湾央部では潮通しがよく、酸素濃度も高いため比較的水質が良好です。
釣り場 | 主な水質指標 | 水質の特徴 |
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若洲海浜公園(江東区) | DO: 約6.0 mg/L COD: 約3.0 mg/L |
湾奥部に位置し、夏季には貧酸素状態が発生することがある。水質は季節や天候により変動しやすい。 |
葛西臨海公園(江戸川区) | DO: 約7.0 mg/L COD: 約2.5 mg/L |
比較的水質が安定しており、透明度も高め。家族連れにも人気の釣りスポット。 |
城南島海浜公園(大田区) | DO: 約5.5 mg/L COD: 約3.5 mg/L |
工業地帯に近接しており、雨天時には水質が悪化する傾向がある。釣行時は天候に注意が必要。 |
本牧海づり施設(横浜市) | DO: 約6.5 mg/L COD: 約2.8 mg/L |
湾央部に位置し、水質は比較的良好。多様な魚種が狙える人気の釣り場。 |
市原海釣り公園(千葉県) | DO: 約6.8 mg/L COD: 約2.6 mg/L |
湾口に近く、潮通しが良いため水質も良好。初心者から上級者まで楽しめる。 |
東京湾の魚は食べても安全?
基準と実際の検査結果
環境省や地方自治体による水質・生物調査では、東京湾の多くの魚は食品衛生法に基づく重金属・有機汚染物質の基準値を大きく下回る結果が報告されています。
ただし、一部の魚(特にボラやクロダイなど底棲性の魚)では、脂肪に蓄積しやすいPCBやダイオキシン類の微量検出事例もあり、頻繁な摂取は避けた方が無難です。
安心して食べられる魚の特徴
- 回遊性の魚(アジ・サバ・イナダなど):東京湾内を一時的に回遊するため、蓄積リスクが低い
- 沖合・湾央エリアで釣れた魚:潮通しがよく水質が比較的良好
- 産地不明の市販魚よりも、自分で処理・調理できる分、鮮度・安全性の把握がしやすい
釣った魚を安全に食べるための注意点
まとめ
東京湾で釣れる魚の多くは、処理と調理を適切に行えば安全に食べることができるものがほとんどです。特に湾央~湾口エリアで釣れた回遊魚は、水質・魚体ともに良好なケースが多く、安心して楽しめます。ただし、湾奥部や底もの魚については注意が必要であり、過剰摂取を避けるなどの判断も求められます。
釣りの楽しみを最大限に活かすためにも、水質と魚の性質を理解し、安全で美味しくいただく工夫を心がけましょう。